歴代校長先生からのメッセージ
第4代校長 長谷川みほ先生
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浦和明の星創立40周年にあたって
浦和明の星女子中学校・高等学校同窓生の皆様、母校の創立40周年おめでとうございます。この40年の間に卒業なさった皆様は、それぞれ様々な年代におられるわけですね。日本の社会の、あるいは海外の様々な分野、様々な場で、それぞれにご自分の信条を持って活躍し、生きておられるのでしょう。すばらしいことです。そういう皆様に、私は一冊の本を紹介したいと思います。
それは今私が読んでいる、岩波新書の『いま平和とは』という本のことです。国際基督教大学の先生で、同大学平和研究所の所長をしておられる最上敏樹氏の書かれたものですが、平和とは何かということについて具体的な歴史の中の出来事を通して、分かりやすく考える材料を提供しておられます。
そのはじめに、平和という言葉についての人による様々な反応に触れたあとで、「そういったことを知りつつ、それでもやはり、平和について考えることが必要だし、考えがいのあることなのだ、と思います。もし誰もが平和を望むのなら、いつもそれについて考えておかなければなりません。誰もが望むのに平和をつくることが容易でないのなら、ますますよく考えなければなりません。 同時に、平和について深く考えるということは、歴史に参加するということでもありますから、考えがいを強く感じることにもなるのです。」と、書いておられます。
平和は誰もが望むことです。でも、なかなか実現しません。それはなぜなのでしょう。女性として、ことさらに平和を望む私たちは、平和をめぐる現実についてよく知り、考え、その実現に向けて努力する必要があるのではないでしょうか。是非、一読をお薦めします。
今年は、平和憲法といわれる『日本国憲法』公布(昭和21年11月3日)から60年になります。憲法改正の論議も始まっています。私たちは今持っているよいもの、価値のあるもの、大切なものを失うことのないように賢くなければなりません。浦和明の星の同窓生の皆様は、賢い女性であると私は信じております。
その賢さを、日本の平和のため、世界の平和のために活かしませんか。
ジュビリホールでご挨拶なさる長谷川先生
同窓会創設20周年記念事業として「遠藤周作氏講演会」が開催されました(1989)
ご在職期間・・・昭和60年4月~平成2年3月
お住まい・・・青森市